まんが日本昔話のオープニング
プロ野球中日ドラゴンズ
ロックバンド虎舞竜
これらの共通項が分かるだろうか。ドラゴン(龍)である。
他にもドラゴンクエストやドラゴンボールなど、ドラゴンはあちこちに出てくる。
そしてこれは日本だけの話ではない。続いて世界のドラゴンを見てみよう。
[北米]
ユタ州で発見された壁画にドラゴンが描かれている。
[ヨーロッパ]
城や大聖堂などあちこちにドラゴンの彫り物や像が見られる。
[中国]
もはや日本人には説明不要といってもいい龍は中国のお祭りなどでもよく見かける。
こうしてみると、ドラゴンは世界の全ての地域で記録や言い伝えがあることがわかる。
しかし、これは少し不思議な話である。世界中の人がなぜ同じような姿をした怪物を想像したのだろう。誰かが思いついてそれが世界に伝わったのではないことは明らかだ。例えば18世紀にイギリス人がオーストラリアに到達した時に現地のアボリジニは、文字も農業も知らなかった。外の世界とは繋がっていなかったのだ。
はるか昔に世界の空を飛び回っていた実在のドラゴンを見た人々がそれぞれ記録に残したということだろうか。
謎をとく鍵は、ドラゴンの姿にあった。
ドラゴンの首から上に注目すると、なんとなくヘビを連想させる姿をしている。
実は、ヘビというのは人間が最も恐れている生き物の一種なのである。実際に人間や猿は無意識下でもヘビを認識できる能力があることが分かっている。都内のラーメン屋にキアヌリーヴスがいても見過ごすかもしれないが、ヘビがいれば「ヘビだ!」と気がつく前に脳はヘビの存在を認識しているのだ。
最新の学説ではこれは哺乳類とヘビの長年の戦いの結果と考えられている。ヘビは1億年前にはすでに地球上に誕生していたとされ、我々の先祖である小型哺乳類を捕食していた。数千万年にわたってヘビに捕食され続けた哺乳類はついに人間へと進化したが、今でも本能的にヘビを警戒し続けているというわけだ。
ドラゴンの首から下は、どうだろうか。
4本足はクマやトラを、翼はタカやワシを連想させる。
つまり、我々の祖先が恐れていた天敵の姿を全て合わせるとドラゴンになるのだ。